なんにもねこ。~悟りの歌~
なんにもねこねこ、なんにもねこ。
なんにもねこねこ、なんにもねこ。
ここには何にもありません。
宇宙も世界もありません。
わたしもあなたもありません。
冗談なんかじゃありません。
ほんとに何にもありません。
ココロもカラダもありません。
思考も意識もありません。
はじめもおわりもありません。
ふざけているんじゃありません。
すべてがどこにもありません。
意味も理屈もありません。
理解も悟りもありません。
ここには何にもありません。
なんにもねこねこ、なんにもねこ。
なんにもねこねこ、なんにもねこ。
愛と光を。
p.s.
この世界は、わたしたちの普段見ている夢のようなものです。
「わたし」も「あなた」もそこにはいません。
夢の世界は幻です。
でも、だからといって、生きていることに意味がないわけではありません。
うれしいことも、かなしいことも、すべてのことがはかなく消えていってしまう幻想だなんて、決して思わないでください。
そうではないんです。
すごいことが起きているんです。
あるはずのないことが、できないはずのことが、今起こっているんです。
あなたは今、神さまの両腕に抱かれながら、すやすやと眠っている小さな子どものようなものです。
神さまはお母さんのような存在で、あなたのことを、どこまでもどこまでも深く、深く愛しています。
ある日、あなたは眠りに落ち、夢を見ました。
今も、あなたは夢の中で、空想を広げて遊んでいます。
さまざまな喜びや悲しみも、たくさんの人たちとの出会いや別れも、一人ぼっちのさみしさも、すべてのことがそこにあり、そのすべてが、あなたの大切な宝物です。
神さまはあなたのことをこれ以上ないくらい愛しているので、あなたを無理やり起こすようなことはできません。
神さまはただ、夢の外で、あなたにできるすべてのことをしています。
泣いているあなたの涙を拭い、うなされているあなたに「大丈夫だよ」と囁きかけ、苦しんでいるあなたの背中をさすり、震えているあなたを毛布でくるんで温めています。
あなたが安心して夢を見ていられるように、神さまは一生懸命あなたのお世話をしています。
それでもあなたは、「この世界は幻想です」、「この世界は意味のないものです」と言って、「個」を捨ててしまいますか?
神さまがなぜ、あなたのことを起こさないのか、少し考えてみてください。
生きることは辛いものです。
本当に本当に辛いものです。
でも、そのなかに、かすかに光る何かがありませんか?
何か、とても大切なことが、ここにはあるように思いませんか?
それはあります。
あなたは必ずそれを見つけます。
あなたが子どもだった頃、あなたはめいっぱい遊んで、楽しんで、そして、その思い出は、あなたの中で今も生き続け、あなたの中を脈打って、あなたをあなたにしています。
子どもの頃の思い出は、ただ忘れ去られてしまうだけの、無意味なものではなかったはずです。
ここに秘密があります。
すべてのものは無から生まれました。
ありえないことですよね。
でも、そのありえないことが起きているんです。
そして、そのことがずっと、ず~っと許されているんです。
認められているんです。
何にでしょうか?
「愛」にです。
神さまは愛です。
あなたも愛です。
この世界は、愛であるあなたの見ている夢です。
愛の夢です。
空想は空想であり、物語は物語なのですが、大切なことは、そのことを知ってなお、あなたはどのように生きるのかということです。
ここでは、どんなことでも起こります。
素晴らしいことも、そうではないことも起こります。
無から有が生まれ、有がすべてのものとして表現されています。
「ある」ことは奇跡です。
これは、神秘の中の神秘です。
あなたは何でも選ぶことができます。
その中で、あなたは人間としてこの世界に宿ることを選びました。
AIでも機械でもロボットでもなく、血の通った人間として、あなたはここに生まれました。
そして、そのことには意味があります。
誰が何と言っても、意味は必ずあります。
あなたは何を選びますか?
苦しいことがなければ、喜びもまたありません。
あなたがそこにいなければ、わたしもここにはいません。
でもわたしは、それでもわたしは、ただ、あなたとこうして愛について考えているだけで、それだけでいいと思っています。
「わたし」がいてもいなくても、そんなことはどうでもいいのです。
ここにはなんにもありません。
けれど、「愛」が確かにあります。
「愛」がどこかにあるのなら、ここには何にもいりません。
絶対的な安心感が、わたしとあなたを支えているからです。
だから、もう少し楽しみませんか?
もちろん、これからも辛いですよ?
でも、もう少しだけ、楽しんでみませんか?
意味のないこの世界で、もう少し、わたしと一緒に踊りませんか?
目が覚めたとき、わたしたちがお互いのことを、もっともっと好きになれるように。
わたしたちがお互いのことを、もっともっと深く、深く愛せるように。
こうやって、幻想ごと、まるごと愛することが、本当の悟りであると、わたしは思うのです。