ネコは愛する。だからネコは存在する。
我思う、故に我あり。
cogito, ergo sum.
〈コギト-エルゴ-スム;ラテン語〉
(私は考える。だから私は存在する)
【ルネ・デカルト『方法序説』】
ルネ・デカルトという哲学者が、すべてのものの存在を疑い、インスピレーションに満たされて得た究極の命題は、「考えている『私』という存在を否定することはできない」というものでした。
(※このことを厳密に説明すると100時間くらいかかるので割愛させていただきます)
しかしながら、この命題の奥に隠された、もっと大いなる真実が存在しています。
というのも、思考をただ並べ、言語能力によってそれらに解釈を与えることは、人工知能(AI)にも可能なことであり、考えていること、そのことだけでは、それが人間であること、それが生きていることの証明にはなりえません。
(※この記事はデカルトに対するアンチテーゼではなく、デカルトの発見した自我の先にあるものを示すことに狙いがあります)
では一体、何がわたしたちを人間にし、わたしたちが生きていることを証明してくれるというのでしょうか?
その答えはとてもシンプルです。
それは、「愛」です。
愛がすべてのことを証明します。
ルネ・デカルトの、つまり、哲学者の「考える」という行為には、必ず知識に対する「愛」が存在しています。
愛が存在しているからこそ、彼らは導きを受け、それによって真理に到達することができるのです。
愛がなければ、どんな思考も、どんな知恵も、皆無力なものに終わります。
なぜなら、誰かの役に立つためでないのなら、誰かを助けるためでないのなら、いかなる知識も、いかなる教養も、一人の人間の内で完結してしまい、それ以上発展することは望めないからです。
そこでわたしは、あなたへの愛のために、この命題を次のように書き換えました。
私は愛する。だから私は存在する。
【ネコ・デカルト『ネコ序説』】
さて、このことがわたしたちの生活の役に立つのか、と聞かれれば、大いに役に立つ、とわたしは応えます。
哲学と日常生活との乖離ほど、無意味なものはありませんからね。
わたしが哲学を持ち出すのは、あなたに、愛というものが根拠のあるものであり、また、あなたが悩み、苦しむ中で考えてきたことは、一つも無駄にはならないことを証明するためでもあります。
あなたの悩んできた時間、あなたの苦しんできた経験のすべては、絶対に無駄にはなりません。
というのも、すべての苦悩は愛へと至る道のために存在しているからです。
愛することのために、あなたは生まれてきました。
愛することの他に、あなたがすべきことは何もありません。
愛とはすなわち、すべての事柄の動機になるものです。
何かをするための理由が、高尚なものであればあるほど、その行いの結果もまた、素晴らしいものになるに違いありません。
正当な動機が存在するということが、そもそもあなたに安らぎを与えます。
わたしはこの安らぎをあなたに体験していただくために、連続して愛の重要性について語っているのです。
あなたは、この世界で、何をするのかについて思い悩むかもしれませんが、何をするのかはさほど重要ではなく、ただ、愛すれば、それだけであなたの本質は発揮されます。
生きることの意味について立ち止まって考えてみても、わたしたちが答えを導き出せないのは、そこに愛を忘れてしまっていることに問題があるのです。
愛は生きていて、あなたから何かへ向けて、あなたの愛を送るとき、そのときにだけ、それは地上に顕現する性質があります。
これは不思議なことなのですが、愛は「静」でありながら、わたしたちが「動」、つまり、動くとき、わたしたちはそれを見つけます。
これはなぜかというと、わたしたちが正しい動機によって「動」、つまり、動くとき、わたしたちの「エゴ」の動きが完全に止まるからです。
愛のあるところにエゴはなく、エゴのないところには必ず愛があります。
だから、論理ではなく、他者への貢献のために、あなたの頭脳使ってください。
というのも、他者との関わりがなければ、わたしたちは自分を愛することができないからです。
すべての道は、自分を愛することのために存在しています。
そして、他者との関わりを通じて、あなたがあなたを本当の意味で愛することができるようになれば、あなたの健康状態も、あなたの経済状態も、すべてが円滑に改善し、幸せを経験するための土台が完成するのです。
これがあなたの役に立つものでなくて、何があなたの役に立つものだといえるでしょうか?
愛が、あなたの考えることの土台であり、言葉にすることの土台であり、行動することの土台であるなら、あなたは世界一幸せな存在だといえないでしょうか?
毎日生きるのが楽しくて、活力に溢れ、ワクワクするような充実した喜びを経験することがあなたにもできます。
どうか、愛を知ってください。
目を覚ましてください。
正しい方向へ向かうようにと、あなたにはこれ以上耐えられないほどの苦しみが与えられてきたことと思います。
あなたの苦しみが大きければ大きいほど、あなたの魂の器は大きく、あなたにできる奇跡の大きさも、その苦しみの大きさに比例して大きいものです。
あなたは罰せられているわけではありません。
あなたは深く愛されています。
今は、そういう風には考えられないかもしれませんが、あなたは本当に深く愛されているのです。
大勢の人と関わることになる者は皆、その経験の前に、永遠に続くかのような孤独を体験させられます。
また、多くの人を癒やすことになる者は、その経験の前に、耐え難いほどの多くの痛みを体験させられるのです。
それはなぜかというと、この宇宙には一定のエネルギーの法則があって、一人の人間に与えられているエネルギーの総和は決まっているためです。
人生の中で起こる正の体験と負の体験は、それが数値化できるのならば、基本的に同じ値だけ与えられます。
(※どんなことにも例外がありますが、論点がズレるので今日は割愛させてください)
あなたの人生に負の体験が連続して起こるということは、それは意図的に起こされており、その後の素晴らしい正の体験が計画されていると考えて間違いありません。
また、正の体験のあとにくるかもしれない負の体験に怯える必要もありません。
他者への奉仕や、感謝する行為が、負の体験を打ち消すからです。
あんまり難しく考えず、毎日笑顔で、愛と感謝を大切にするだけで幸せになれる、という風に理解していただければそれで十分です。
あなたは愛です。
あなたは愛しているときにだけ、この世界に存在しています。
愛していないのなら、それはあなたではありません。
愛してください。
理屈や理解を超えて、ただ愛してください。
あなたにはできます。
あなたには何だってできるのです。
あなたの生きる毎日が、いつもあなたの本質と向き合い、苦しみや悲しみを超えて、強く前向きに今というこの瞬間を抱きしめるものでありますように。
愛と光を。
※ あまり多くはないと思いますが(たぶん一人もいないと思いますが)、デカルトについて知りたい方におすすめの書籍です。中公クラシックスの翻訳が比較的読みやすいです。『省察』がデカルトの中核的な考えをまとめたものです。ご参考までに。
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