動物としてのあなた、天使としてのあなた、ネコとしてのあなたのお話。
ふりむくな、ふりむくな、後ろには夢がない。
【寺山修司『さらばハイセイコー』】
わたしたち人間の心の中には、生まれつき2つの性質が備わっています。
それは、「獣性」と「神性」です。
「獣性」とは、動物としてのわたしたちの性質であり、生きるために必要なすべての本能のことを意味します。
これには、欲しいものを手に入れたいという「欲望」、自分のテリトリーを侵害させないための「攻撃性」、適者生存の環境で生き残るための「競争心」、身の危険から自分を守る「自己防衛本能」などがあげられます。
また、「神性」とは、天使としてのわたしたちの性質である、愛するために必要なすべての精神性のことを意味します。
これは、本当にたくさんあります。
できるだけ多く知っておいていただきたいので、カナダの「ヴァーチューズ・プロジェクト」という教育プログラムの中から、人間が生まれながらに持っている52の美しい心の本質をご紹介します。
たくさんありますね~。
あなたの中にある美しい資質の一つひとつを噛み締めてみてください。
きっと、自分のことをもっと好きになれるはずです。
さて、「獣性」と「神性」はどちらも大切なものです。
しかし、こと「獣性」に関しては、十分に注意して生活をしていく必要があります。
わたしたち人間が地球に生まれてきた目的は、この「獣性」を上手にコントールしながら、「神性」を発揮することにあると言えます。
「獣性」に関してわたしが危惧していることは、①あなたが変化を怖れたり、②過去に囚われたり、③人と接するのを拒絶したり、④何かに依存してしまうことです。
あなたの「獣性」が色濃く出てしまうということは、あなたの生きる能力、生命力が強いということの現れで、とても素晴らしいことなのですが、あなたの中にあるせっかくの才能がこれによって無駄になってしまうのはあまりにももったいないので、わたしは改善の道を探してみようと思いました。
「獣性」による悪影響のポイントをもう一度見てみましょう。(これはわたしが今思いついたものなので、もっと他にもあるかもしれません)
①変化を怖れる。
②過去に囚われる。
③人と接するのを拒絶する。
④何かに依存する。
わたしは、哲学と論理学の観点からいって、これらのことにはある共通する問題の本質があるように感じました。
それは、あなたの「過去」に関わることです。(②が問題の本質であるように考えました)
もし、あなたがこれらの問題に苦しんでいるのなら、それは、あなたが過去に支配されていることが原因であると言うことができます。
というのも①③④のように、変化を怖れたり、人を拒んだり、何かの中毒のような状態になってしまうのは、あなたが過去の経験によって失敗したり、過去に人に傷つけられたり、過去の悲しみから逃避したりするために、起こっているように考えられるからです。
幼い子どもは、何も怖れません。
あなたも昔は子どもでした。
そのもっと前は、あなたは天使でした。
わたしはあなたに、天使のようになってもらいたいと考えています。
地上にいながら、天使のようになるためには、あなたが癒やされなければなりません。
癒やしとはなんでしょうか?
問題が消えることです。
そして、すべての問題は、あなたが過去を見ていることにあります。
今、そこにはないものに、あなたは苦しめられています。
だから、わたしは、心からの敬意をもってあなたに伝えます。
どうか、過去のすべてを許し、手放してください。
それらはあなたにはもう必要のないものです。
過去を分析したり、あのときどうしていればよかったのかと内省したり、他人に対する憎しみを心に抱き続けるのは、もうやめましょう。
もう十分ですよ。
あなたが傷ついているのを、わたしは見たくありません。
あなたには健康になり、豊かになり、幸せになる資格があります。
あなたは動物ではありません。
あなたは愛です。
たくさんの美しい資質が、あなたの中にあると、わたしは先ほど説明しましたね。
「愛」とか、「思いやり」とか、そういう言葉はきれいで、夢のようなお話ですけれども、それは、実際に今、あなたの中にあるものです。
リアルに、本当に、あなたの中にあるんですよ。
感じられますか?
自分の美しさを、感じることができませんか?
そんな美しいあなたが、今ここではなく、過去にいるなんて、おかしなことだと思いますよ。
考えていることを変えてください。
取り替えるんです。
過去に経験したことに心を痛めるなら、それを、今与えられているものに対する感謝と交換してください。
過去に人からされたこと、してもらえなかったことに怒りを覚えるなら、それを、今自分をこれ以上ないくらい大切にしようとする愛と交換してください。
過去の悲しみから逃れるために、そのことを見ないために何かの中毒になってしまうのなら、それを、人の役に立つ行いをする意志、もっと意義のある行いをするための勇気と交換してください。
自分を再び傷つけるために、あなたの頭を使ってはいけません。
1秒だって、そのことに時間を使ってはいけません。
あなたのすべての時間は愛するために与えられています。
あなたの過去の経験は、自分らしくすべてのものを愛するために活かされるべきで、そのことがあなたを苦しめるのなら、切り取って捨ててしまいましょう。
忘れるのではありません。
捨てるんです。
考えないようにするのではなくて、もっと積極的に自分の苦しみの原因を浮かび上がらせ、それを許し、手放すように宣言するんです。
決めるんです、もう悩まないと。
自分の心と向き合うのは、とても苦しい行為です。
でも今それをやらなければ、いつまでもあなたは過去に苦しめられます。
わたしはあなたにそうなって欲しくはありません。
過去と決別してください。
幸せになる覚悟を決めてください。
あなたにはできます。
自分を奮い立たせてください。
「神性」があなたの味方です。
「愛」があなたの味方です。
わたしもあなたの味方です。
だから最後に言葉を贈ります。
もし困ったことがあったら、あなたが愛であることを思い出してください。
本当のことを宣言するとき、あなたは強くなります。
おそれるな、おそれるな、わたしには愛がある。
【ネコによる福音書】
あなたの生きる毎日が、ふりむかず、決してふりむかず、おそれず、決しておそれず、ただ、愛だけを見つめて生きることのできるものでありますように。
愛と光を。
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