青い空、白い雲。青いネコ、白いネコ。
あなたは空(そら)です。
この世界全体に、あなたの青が広がっています。
思いは雲です。
澄み切ったブルーの中に、ふわふわとした白いクラウドが生まれています。
それは、どこからともなくやってきて、ぷかぷかとのんびり漂い、いずれ風に吹かれて消えていきます。
すべての物質、すべての思考、すべての感情はこの雲、クラウドです。
雲は空ではありません。
雲は雲、空は空です。
あなたが子どもだった頃、ぼんやりと移ろいゆく雲を眺めながら、あの雲の形はライオンやキリンに似ているなぁとか、あの雲はアイスクリームやショートケーキみたいだなぁなどと思ったことがあるのではないでしょうか。
雲はその見え方によって、あなたの中にある何かのイメージと結びつき、動物になったり、食べものになったりします。
雲を何かのイメージの表現として受け取ることができるのは、子どものような純粋さのなせる業なのかもしれません。
しかし、あなたも未だに純粋なままであり、その純粋さゆえに、この世界に表現されているすべての雲を、実際に存在するものとしてとらえ、あなた自身が空であることを忘れ、雲に怯え、雲に苦しめられています。
雲には実体がありません。
雲はあなたには何もできません。
あなたが雲に力を与えない限り、雲はただの雲であり、夢であり幻です。
あなたは一つの空であり、一つの青です。
「あなたの体」も、この空の上に生まれた一つの雲に過ぎません。
「あなたの心」、それがこの空です。
空であるあなたは自由です。
あなたは本当に自由です。
あなたの大きなその心で、この世界を包み込んでください。
あなたの大きなその愛で、この世界を抱きしめてください。
あなたは空(から)です。
あなたの心の中には何もありません。
また、あなたの心の中には何もあるべきではありません。
なぜなら、そこは神さまのお部屋だからです。
神社やお寺や教会に行って、ゴミを捨てて帰ったり、建物の一部を壊したり、周りにいる人々を傷つけたりする人はまずいないと思います。
それと同じように、あなたの心の中に、ネガティブな思いや感情を置きっぱなしにしたり、心が壊れるくらい自分を責め続けたり、自分や他人の自尊心を傷つけるような行為をしてはいけないのです。
そんなことをすれば、あなたには神さまが見えなくなり、それによってあなたは、辛く困難な生き方をしなければならなくなります。
あなたにはもっと簡単な選択肢があります。
もっと楽な生き方があるのです。
それは、何も持たないという生き方です。
あなたが何かを所有していると思っているのなら、その思いを手放してください。
所有というのは幻想です。
あなたは何も所有していませんし、所有できません。
すべてのものはこの世界にただあるだけで、それがあなたの近くにあるか、遠くにあるかの違いだけなのです。
だから、知識を手放しましょう。
知識もまた、幻想です。
あなたは何も知りませんし、何も知りえません。
知っていることで苦しむ必要はありませんし、知らないことを怖れる必要もありません。
あなたは非常に賢くて、とても聡明です。
賢いフリをすることで、愚かな人になってはいけません。
むしろ、愚かなフリをしながら、賢い人になってください。
そうすれば、あなたは知識を超えた知恵の中にいられるのです。
それから、過去を手放しましょう。
過去は幻想の中の幻想です。
過去はあなたに触れることはできませんし、あなたは過去から完全に自由です。
過去があなたを傷つけているのは、あなたが過去をいつまでも大切に握っているからです。
今と過去を結び付けないでください。
今の中に、過去は必要ではありません。
あなたに必要なのは今だけであり、今は何もない両手でだけ掴むことができるものなのです。
今を生きるということは、過去を生きないということです。
今を生きるあなたには、ありありとした「生」が約束されています。
だから、いつも空っぽでいてください。
そして、すべての怖れを手放しましょう。
あなたが何かを所有しようとしたり、何かを必死で集めたり、いつも何かを探し求めているのは、それがないと怖くて恐ろしくてたまらないと心の奥底で思っているからです。
でも、あなたは今、完全に満たされています。
あなたに足りないものは何もありません。
なぜなら、あなたはもともと空っぽの器だからです。
あなたという空っぽの器には、計ることのできない愛の光がいっぱいに注がれています。
それが、神さまの姿です。
神さまがあなたをいつも喜びで満たしているので、何かが足りないという幻想を忘れてください。
そうすれば、あなたは真実を思い出します。
あなたは空(そら)であり、あなたは空(から)です。
あなたはすべてを包み込む全体でありながら、何もない虚空でもあります。
生命のパラドックスはあなたの理解を超えていますが、あなたはどこかでこのことを知っています。
それは、あなたが「あなた」を超えたものであり、あなたが理解そのものであり、あなたが生命そのものだからです。
苦しいとき、辛い時には、空を見上げてください。
そこにあなたがいるじゃありませんか。
わかりますか?
「そこにあなたがいるじゃありませんか」
あなたにはこの意味がわかります。
だってそれは、いつもあなたの目に映るようにとの配慮から、神さまがあなたの上に置かれた愛のメッセージなのですから。
澄み切ったブルーの中に、あなたの答えを見つけてください。
もしかしたら、それはときに、夕焼けであったり、夜空であったりするかもしれませんね。
さぁ、すべての常識を捨てて、空っぽになった心で、あなたの空を見つめてください。
あなたの空も、あなたの心も、限りない愛によって満たされています。
あなたのために用意された空を、あなたのために用意された心を、あなたはどんなことに使いたいですか?
あなたの生きる毎日が、豊かで美しいものとなりますように。
愛と光を。